歯科コラム

メタボリックシンドロームを放置すると歯周病で歯を失いやすくなるかも

メタボリックシンドロームは、見た目の問題だけではなく、放置することで命に関わる重大な病気を引き起こす可能性があることは知られています。
そして、実は歯周病とも深いつながりがあることも分かっています。
今回は歯周病とメタボリックシンドロームの関係性についてご紹介していきます。

メタボリックシンドロームとは

メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪が過剰な状態に加え、高血圧、空腹時の高血糖、脂質の異常値などがみられる状態のことをいい、いずれ糖尿病、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの病気に進展する恐れがあるため、注意が必要です。

歯周病とメタボリックシンドロームの関係

歯周病とメタボリックシンドロームには、次のように双方向の関係性があります。

◆メタボリックシンドロームが歯周病のリスクを高める

メタボリックシンドロームは内臓脂肪の量が多い状態です。
内臓脂肪は血糖や脂質、血圧を良い状態に保つ役割をするホルモンを分泌しますが、内臓脂肪が肥大してしまうと分泌に異常が起こるようになり、インシュリンの働きを悪くして血糖値が下がりにくくなってしまいます。
血糖値が上がったままの状態が続くと、血液が全身に栄養や酸素を運べなくなってしまうので、免疫力が低下してしまいます。
そうすると、細菌感染症である歯周病にもかかりやすくなる・悪化しやすくなる、といった状態に陥ってしまいます。

◆歯周病がメタボリックシンドロームを引き起こしやすくする

歯周病がひどくなってくると、歯がぐらぐらになる、もしくは歯が抜けてものがしっかりと噛めなくなっていきます。
ものが噛みにくいと、炭水化物など、必然的に糖質の多いものを食べるようになってしまい、血糖値が上がりやすくなってインシュリンがたくさん分泌されるようになります。
インシュリンには糖を脂肪に作り替えて溜めこむ働きがありますので、どんどん脂肪が体に溜まってしまい、メタボリックシンドロームの状態になりやすくなります。
また、歯周病菌が放出する炎症物質は脂肪を増やすという研究結果も報告されています。

メタボリックシンドロームを予防するためには?

以上でご説明したように、メタボリックシンドロームと歯周病には双方向に深い関係性があるため、メタボリックシンドロームを防ぐためには両者に対して注意を払う必要があります。
そのためには、まず食べ過ぎに気を付ける、適度な運動を心がける、といったことは基本として実行していただき、毎日の歯磨きを丁寧に行う、歯茎の炎症を招く糖質を摂りすぎないようにする、定期的に歯のクリーニングをする、といった歯周病対策も同時に実践していきましょう。
そうすることで、メタボリックシンドローム、歯周病、両方のリスクを下げ、健やかな人生を送りやすくなることでしょう。

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