歯並びが悪いと認知症リスクが上がる? 大人の矯正でリスクを下げられる可能性
そのため、大人の矯正治療は「贅沢な治療」というようにとらえられていることも少なくありません。
ですが、矯正治療の本来の目的は美容目的というよりも、「健康的な生活を送るため」という未来への投資的な意味合いの方が大きいのです。
そして、実は、歯並びの悪さがあなたの10年後、20年後の認知機能に影響を与える可能性もあります。
大人の矯正をすることがどのように認知症リスクを下げることにつながるのか、今回はその点について見ていきたいと思います。
歯並びが悪い状態が認知機能に与えるリスク

1.歯周病によるアルツハイマー型認知症のリスク
歯並びが悪いと、歯磨きをしても磨き残しが出やすいため、その部分に細菌が繁殖して歯周病が起こりやすくなります。歯周病が進行すると、炎症部分から歯周病菌やそれが出す毒素が血液中に入り、脳に到達するとアルツハイマー型認知症の原因物質の蓄積を起こすと近年の研究で分かってきています。
2.噛む刺激が脳に伝わりにくくなる
歯並びが悪いことでしっかり噛めないと、噛む刺激は脳に伝わりにくくなります。それだけでも認知機能の低下を招きやいですが、歯並びが悪いことでむし歯や歯周病にかかりやすくなって歯を失うと、より一層噛むことができなくなり、さらに認知症のリスクを高めます。
3.口周囲の筋力低下が及ぼす影響
歯並びが悪くてしっかりと噛むことができないと、口周囲の筋肉が弱くなり、噛む力、飲み込む力が衰えやすくなります。
そしてこういった筋力の低下はやがて全身の筋力低下にもつながり、転倒、寝たきりへとつながることも少なくありません。
寝たきりの状態になると認知症のリスクはグンと上がってしまいます。
4.歯のトラブルが精神に及ぼす影響
歯並びが悪いと、磨き残しが出やすいことからむし歯や歯周病にかかりやすくなり、生涯歯のトラブルに悩まされやすくなります。また、それによって歯を次々に失う可能性もあります。
歯のトラブルによるストレスや、見た目の悪化などは精神的にもダメージとなりやすく、生きる楽しみを奪うことにもなりかねず、それが認知機能の低下にもつながりやすくなります。
大人の矯正をすることで残りの人生の質が大きく変わる可能性
若い時には、歯並びが悪いことによる健康的な問題を感じることもあまりないかもしれません。ところが、中年に差し掛かってくると、さまざまな歯科的な問題が起こりやすくなり、頻繁に治療に通わなければならなくなったり、不調に悩まされたり、といったことが起こる可能性があります。
大人になってからでも矯正治療をすることで歯並びが整うことにより、次のような効果が期待できます。
◆歯磨きがしやすくなって、むし歯や歯周病にかかりにくくなる
◆しっかり噛めるようになり、脳が活性化される
◆口周囲の筋力が向上し、全身の筋力、バランス感覚の向上につながる
このようなことから、歯並びが悪いのを放置するのと、矯正治療して整えるのとでは、その後の認知症のリスクを下げ、人生の質に大きな違いが出てくる可能性が高いと言えます。
なお、歯並びの見た目が本人的に歯気になっていない場合でも、噛み合わせに問題がある、というケースもありますので、これまで歯並びについて気になったことがない人も一度歯科医師に歯並びやかみ合わせのバランスについて見てもらうとよいでしょう。
認知症対策としては、「脳を働かせる」、「手先を動かす」、などといった対策が一般的にはよく言われていますが、「歯並びを整える」ということも、かなり効果の高い予防法だと言えます。
人生100年時代、健康的な歯並びとかみ合わせは何物にも代えられない、大きな財産となるものです
今回の内容が気になった方は、一度歯科医師に相談してみてはいかがでしょうか。














