歯科コラム

歯が溶けることも・・熱中症予防のスポーツドリンクに要注意!

猛暑の続く夏はとにかく汗をかきますので、水分補給は欠かせません。小さなお子さんのいらっしゃるご家庭では特に、熱中症予防のために水分補給には気を使っていることだと思います。熱中症予防に効果的な飲み物として、スポーツドリンク、イオン飲料などが売られていて、そのような飲み物を積極的に利用している方もいることでしょう。

ところが、このような飲み物を飲みすぎることは、実は歯にとってはあまり良くない場合があるため、注意が必要です。

全体的に歯が溶ける「酸蝕症(さんしょくしょう)」

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スポーツドリンクやイオン飲料というのは、体液と同じ浸透圧になるように電解質が含まれているため、汗をかいても素早く体に吸収され、熱中症予防にはとても良いことで知られています。

ところが、このような飲み物は、飲みやすくするために糖分を多く含んでいたり、酸性度が高かったりするため、頻繁に飲んでいると、虫歯や酸蝕症と呼ばれる、歯が全体的に溶けてしまう状態を起こすことがあるのです。

歯の表面というのは、硬いエナメル質で覆われていますが、エナメル質は酸に弱く、溶けてしまいます。このようなことは、スポーツドリンクだけに限らず、酸っぱい食べ物や酢のような体に良さそうなものであっても起こります。

虫歯の場合は、1本単位で歯が局所的に溶かされますが、酸蝕症の場合は、歯が全体的に溶けてしまうのが怖いところです。

酸蝕症になるとどんな症状、見た目になる?

酸蝕症になると、次のような症状や見た目になります。

・冷たいものがしみやすくなる(知覚過敏)
・歯が全体的に小さくなる
・歯が黄ばんでくる
・歯の先端が薄くなってギザギザになる
・歯の表面にガタガタとした段差がある
・歯の詰め物が浮いたようになる

酸蝕症への対処法

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酸蝕症にならないようにするためには、口の中に長時間、もしくは頻繁に酸性のものを入れないということが大切です。また、お口の中が酸性に傾いている状態の時にゴシゴシと歯磨きをしないことも大事です。エナメル質が酸でやわらかくなっている状態でゴシゴシ磨くと、削れてしまう恐れがあるからです。

そのためには、次のことに注意しましょう。

・ジュースやスポーツドリンクのような酸性飲料は長い時間ダラダラと飲まないようにしましよう。
・酸性のものを口に入れた後は、唾液が酸を中和する時間をとるようにしましょう。
・酸性のものを口に入れた後は、最低30分経ってから歯磨きをするようにしましょう。

もし、熱中症予防にスポーツドリンクやイオン飲料を飲む際は、そればかり長時間飲みすぎないように、水やお茶なども併用してうまく水分補給をしていきましょう。
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