歯の根元が黒い!実はそれは歯石かも
歯の根元に黒い部分がある場合、虫歯が原因の場合もありますが、実は歯石であることも少なくありません。
この黒い歯石がある場合、放置しておくと歯を支えている骨が溶けてなくなってしまう恐れがあります。詳しく見ていきましょう。
歯の根元が黒い場合に考えられる原因
歯の根元が黒い場合、次のいずれかである可能性があります。
虫歯
歯茎が下がって歯根が見えている場合、その部分には硬いエナメル質が存在しないので、虫歯になりやすい傾向があります。特に唾液が減少して自浄作用の落ちた高齢者においてはこのような虫歯が見られやすくなります。
歯石
歯茎の内側から歯の根元にかけて黒いものが見えている場合、歯根にへばりついている歯石である可能性があります。
歯石というと白、もしくは黄白色のイメージが強い人もいるかもしれませんが、歯根表面についていて歯茎に隠れている歯石は黒い色をしていることが一般的です。
これは、歯茎の内部で炎症が起こり、出血が起こって黒っぽくなってしまうこと、そして歯茎の溝の中で繁殖する歯周病菌が出す色素の影響を受けています。それゆえ、黒い歯石がついている場合にはすでに歯周病にかかっているという証拠でもあります。
歯の変色
神経の治療をして神経が失われている歯の場合、歯がだんだんと黒ずんでいきます。神経を抜いた歯は弱くなるので上に被せ物がなされることが多いですが、その被せ物の下から見える歯の色が黒い場合、単に黒ずんだ歯が見えているだけ、ということもあります。
黒い歯石を放っておくとどうなる?
歯石は歯の表面についた歯垢に唾液中のカルシウムやリンなどのミネラルが蓄積し、硬くなったものです。それ自体に毒性はありませんが、表面がざらざらしている部分に汚れが溜まりやすく、そこに繁殖する細菌によって歯周病を引き起こすリスクがあります。
歯石は歯ブラシで落とすことはできず、一度ついたら歯科医院の専用の機械や器具で落とす必要があります。
もしこれを放置してしまうと、歯石は表面にさらに蓄積してしまい、ずっと細菌が大量に繁殖した状態が保たれ、歯周病はどんどん悪化していきます。
歯周病は歯の周囲の骨を溶かしてしまう病気ですので、進行が進むと気が付いたら歯の周囲の骨がなくなってしまい、早期に抜け落ちてしまうということにもなりかねません。
黒い歯石かな?と思ったら一度受診しましょう
黒い歯石がついているということは、そこに歯周病があるということを示しています。ですが、歯周病は「静かなる病気」とも呼ばれているように、あまり痛みなどの症状を出さずに悪化していきます。
歯石は歯ブラシでは落とせないので、歯石がついている限りはどんなに歯磨きをしても歯周病を予防することはできません。そのため、特に痛みがなくても、歯医者を受診しできるだけ早めにとってもらうことが肝心です。
歯を失わないためにも、心当たりのある方はぜひ早めに取ってもらうようにしましょう。