歯科コラム

タバコを吸うとなぜ歯茎の色が悪くなるの?

タバコを吸っている方で、だんだんと歯茎の色が黒ずんできたと感じている人もいるのではないでしょうか。

タバコは体の健康状態に影響を及ぼすように、口の中にも例外なくさまざまな影響を及ぼします。そしてその影響は、最初に煙が通る場所ということもあって、決して少なくなく、見た目にも明らかな影響となって現れることが多いです。

今回はその影響の一つ、「歯茎の色が悪くなる」ということについて見ていきたいと思います。

なぜタバコを吸うと歯茎の色が悪くなる?

タバコを吸うと、ビタミンCが大量に消費されます。ビタミンCはメラニン色素の生成を抑制する働きを持っていますので、不足すると歯茎のメラニン色素が増えて歯茎が茶色っぽく、もしくは黒っぽくなっていってしまいます。

そしてこれは歯茎だけに限らず、唇の色にも影響しますので、唇も黒ずんだ色になり、不健康な印象を与えてしまいます。

また、タバコを吸うとそこに含まれる「ヤニ」が歯を黒く着色してしまいますので、その見た目と歯茎の黒っぽさが相まって余計に口元を暗く見せてしまいます。

タバコの煙は身近な人の歯茎も黒くする?

タバコの煙はタバコを吸っている本人だけでなく、副流煙という形で周囲の人にも影響を及ぼすことが知られています。

そしてその影響の一つとして、たとえばしょっちゅう親が吸うタバコの煙にさらされている子どもは歯茎のメラニン色素が増えて歯茎が黒っぽくなるということが研究の結果からも分かっています。

やはりこれも、煙をしょっちゅう吸い続けることで、ビタミンCが消費されてしまい、メラニンが増加してしまう、ということが要因として考えられます。

お口の健康のためにも禁煙をおすすめします

以上のように、タバコには健康の面だけに限らず、見た目の面においても、多くの悪影響があるということが言えます。そしてその影響は本人だけでなく大切な家族にも及んでしまう可能性があります。

タバコは歯周病のリスクを大きく高める因子であることは良く知られており、ヘビースモーカーの人ほど歯を早く失いやすい傾向があります。

このようなことからも、タバコは百害あって一利なし、だと言えるでしょう。
また、タバコの怖い面として、歯周病にかかっていても歯茎の血流が悪くなってしまうため、通常だと起こるような歯周病の初期サインがわかりにくくなり、発見が遅れてしまう、ということがあります。そうすると、結果的に治療が遅れて歯を早く失ってしまうことにもつながります。

タバコをやめるとその悪影響を減らして、歯周病の悪化を防ぐことも可能ですので、今タバコを吸っているという人も、歯を長持ちさせるためにできれば禁煙されることをおすすめします。

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