その謎の体の不調、お口の中が原因かも
口から遠く離れた場所の不調が口の中から来ているとはなかなか想像もしませんが、実はそういったことはけっこうあるのです。
体の不調を起こすことがある口内の原因
虫歯や歯周病
虫歯がひどくなって歯根部分に感染を起こし、歯根の周囲が化膿すると、遠く離れた部分に炎症や病気を起こすことがあります。
たとえば、手の平や足の裏に痒みを伴う膿疱を作る掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、アレルギー性皮膚炎、慢性関節リウマチ、IgA腎症、神経炎といった慢性炎症との関連が疑われています。
また、歯周病も同様の症状を起こすことがあることに加え、心疾患や脳梗塞、糖尿病、誤嚥戦肺炎、早産、低体重児出産、メタボリックシンドロームのリスクを高めることが分かっています。
歯科用金属
詰め物や被せ物、差し歯に使われる銀歯、入れ歯の金具などの歯科用金属のアレルギーによって口の中だけでなく、体の皮膚に掌蹠膿疱症やアトピー様の湿疹などを引き起こすことがあります。
歯並び・かみ合わせの悪さ
歯並びやかみ合わせが悪いと、全体的な体のバランスが崩れ、体のあちこちの痛みや不具合を起こすことがあります。
たとえば、顎関節症、頭痛、肩こり、腰痛、めまい、耳鳴りなどの症状の原因になることがあります。
また、歯並びの状態によっては、舌が口の中におさまらず、喉の方に下がってしまうことで就寝中に気道が塞がれる形となり、睡眠時無呼吸症を起こし、慢性疲労や日中の眠気、ひどい場合には高血圧や心疾患のリスクを高めることがわかっています。
歯ぎしり・食いしばり
睡眠中の歯ぎしり、日中の食いしばりは、歯やあごに多大な負担をかけて破壊的なダメージをもたらします。毎日強い力がかかり続けると、歯に痛みを感じたり歯が割れたりするだけでなく、顎関節症や頭痛、肩こり、慢性疲労などを引き起こします。
口の中と体というのは深く関連しているので、口を健康に保つことは体の健康改善にもつながっていくのです。
もし原因不明の分からない不快症状や病気がある場合、歯科治療をおこなうことで改善する場合もあります。もちろん、歯科的な原因が関係していない場合もありますが、もしそういった症状のある方は念のために一度歯科で診てもらうことをおすすめします。