歯科コラム

上の奥歯が痛い・・その原因、ひょっとして副鼻腔炎かも?

「上の奥歯に重苦しい痛みがある」「奥歯で噛むと痛い」
このような症状があるのに、歯科医院で歯を診てもらっても歯に何の異常も見つからない、ということがあります。

確かに歯に痛みがあるのに歯に問題がない、というのは奇妙なことに思えてしまいますが、実は、「上の奥歯の痛み」は、歯そのものではなく、鼻の周囲にある空洞「副鼻腔」の炎症からきていることがあります。

今回は、副鼻腔炎と歯の痛みの関係について、また、副鼻腔炎の場合の見分け方や対処法についても解説していきます。

副鼻腔炎とは?

副鼻腔とは

まず、「副鼻腔」についてですが、これは鼻の奥の骨の中にある空洞のことです。
具体的には、左右対称に4つずつ、計8つも存在しており、それぞれ名前がついています。
その中で、上の奥歯の歯根のすぐ上に位置しているのが「上顎洞(じょうがくどう)」と呼ばれるものです。上顎洞の位置は人によって様々で、上の奥歯にかなり近接している場合もあれば、わりと離れている人もいます。

副鼻腔炎の症状

副鼻腔炎は風邪やアレルギー鼻炎などの後に起こることがあるもので、副鼻腔の中に炎症を起こして膿が溜まったりする病気です。膿が溜まるので「蓄膿症」とよばれることもあります。
副鼻腔炎を起こすと、鼻づまり・黄色い鼻水・頭痛といった症状が起こりますが、上顎洞の位置が奥歯に近接している場合、副鼻腔に炎症が起こるとまるで奥歯が痛いように感じることも多くあります。

参考サイト:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「副鼻腔炎(蓄膿症)について」

副鼻腔炎の場合の見分け方、実際にチェックしてみましょう

副鼻腔炎で上奥歯の痛みを感じる場合、むし歯によって起こる痛みとある程度見分けをつけることができます。
実際に上の奥歯に痛みがある場合、ぜひチェックしてみてください。

複数の歯に痛みを感じる

むし歯の痛みの場合、特定の歯に痛みを感じることが多く、「冷たいもの」もしくは「熱いもの」などで鋭い痛みを感じる、といった症状が起こります。もしくは何もしなくても脈打つような激痛が起こります。
一方、副鼻腔炎による痛みの場合、副鼻腔炎を起こしている側の複数の奥歯に鈍い痛みを感じることが多いです。

体を動かしたり頭を下げたりすると痛みが増す

歩く、走る、階段を降りる、など、体を動かすと上顎洞に溜まった膿が揺れることで痛みが強くなることがあります。また、頭を下げると同様に上顎洞内の膿が動くので痛みが増します。
これらは非常に特徴的な症状です。

鼻の症状もある

鼻が詰まっている、鼻水が出ている、においがわかりにくい、などといった鼻の症状がある場合、副鼻腔炎を疑ったほうがいい場合があります。

参考コラム:突然の歯の痛み!考えられる原因は?

歯が原因で副鼻腔炎を起こすことも

副鼻腔炎(上顎洞炎)は、風邪やアレルギーなどの後に起こることが多いですが、中にはむし歯などで歯に細菌感染が起こり、それが上顎洞にまで広がって上顎洞炎を起こすこともあります。

これは「歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)」と呼ばれます。

歯性上顎洞炎の場合も、歯と鼻の症状を起こしますが、耳鼻科で治療を行っても改善が見られない場合、歯の問題を疑われる、というパターンが多いです。

このようなケースでは、耳鼻科的な治療とともに歯の細菌感染に対する治療が必要になります。

上の奥歯の痛み、副鼻腔炎を疑ったらどう対処する?何科を受診?

上の奥歯が複数痛むと同時に鼻の症状もある場合、何科を受診したらいいのだろう?と迷ってしまうかもしれません。
この場合、まず歯科を受診し、歯に異常がないかどうかを確認する、というのがおすすめです。

なぜなら、歯に問題が見つからない場合、耳鼻科での治療を受けるだけ、ということになりますし、歯に問題が見つかったらまずはそちらの治療が必要になるからです。

歯科でレントゲンを撮ってみることで歯の異常があるかどうかはすぐにわかりますし、上顎洞の状態もある程度確認できるので、歯科医師から必要な処置について適切な提案がなされることでしょう。

まとめ

歯が痛むと「むし歯ではないか?」と思ってしまいがちですが、上の奥歯の痛みの場合、副鼻腔炎(上顎洞炎)が原因になっていることも少なくありません。

もし、近接した複数の歯に痛みがある、体を動かしたり、頭を傾けたりすると痛みが増す、鼻の症状もある、という場合は、副鼻腔炎の可能性も疑ってみたほうがいいかもしれません。

ただ、確定診断はレントゲンを撮ってみるなどしなければ分からないため、痛みがある場合は放置せず、一度歯科医院を受診してみることをおすすめします。

参考コラム:その謎の体の不調、お口の中が原因かも

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