歯の寿命を延ばすカギはここにあった!「咬合力コントロール」とは
「毎日ちゃんと歯を磨いているのに、なんで次々に歯が悪くなるんだろう……」と思ったことはありませんか?
歯をダメにする原因と言えばむし歯と歯周病、そのようなイメージが強い人も多いと思いますが、実は歯をダメにするのはそれだけではありません。
噛む力が強すぎたり、コントロールできていなかったりすることで、じわじわと歯にダメージが積み重なっているケース、というのもとても多いのです。
今回は、歯の寿命を左右する大きな要因の一つである、「咬合力コントロール」について、わかりやすくご説明します。
咬合力(こうごうりょく)とは?

普通の咬合力はどのくらい?
咬合力とは、上下の歯が噛み合わさる時にかかる力のことです。食事でものを噛むとき、個人差はありますが、成人の咬合力はおよそ10〜30kgくらいといわれています。
問題になるのは「過剰な力」
10~30kgの力でも十分に大きな力ではありますが、歯にとって本当に怖いのは、食事のときの力よりも、無意識にかかり続ける過剰な咬合力です。
具体的には、日常的に歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、眠っている間や日中に体重以上の強い力がかかり続けると言われています。
とくに現代社会はストレスが多く、ストレスによって引き起こされる歯ぎしりや食いしばりをする人が増えてきています。
参考サイト:日本歯科医師会 「お口のなんでも相談」歯ぎしり
参考サイト:日本歯科医師会「歯ぎしり」
過剰な咬合力が引き起こすトラブル
歯のすり減り・破折
強い力が繰り返しかかると、歯の表面にあるエナメル質が少しずつすり減っていきます。もしくは、歯にヒビが入ってそこから内部に細菌が侵入することでむし歯ができたり、最悪の場合は歯が歯根まで割れてしまう「歯根破折」につながることも。
歯根破折は、一度起きると歯を残すことが非常に難しく、多くの場合は抜歯になります。
関連ページ:歯が割れる?歯根破折とは
知覚過敏・くさび状欠損
噛む力は歯の根元に集中し、強い力をかけます。そうすると、歯の根元がくさび状に欠けてしまう「くさび状欠損」が起こります。
欠けた部分は、エナメル質がなく象牙質がむき出しになっているため、冷たいものや歯ブラシの刺激でしみる「知覚過敏」を引き起こしやすくなります。
またこの部分に汚れが蓄積することでむし歯になることもあります。
関連ページ:歯の根元に段差がある!くさび状欠損とは?
関連ページ:つらい知覚過敏、自然に治る?
歯周病の悪化
過剰な咬合力は歯周病を悪化させることも知られています。歯ぎしりや食いしばりによって歯を支える組織にダメージが積み重なり、骨が溶けたりするスピードが速まり、歯周病の進行を加速させてしまいます。
詰め物・被せ物が外れやすくなる
「治療した歯の詰め物や差し歯、かぶせ物がすぐに取れてしまう」という場合、その原因が咬合力の過剰であるケースも多く見られます。
参考サイト:豊中市歯科医師会 歯ぎしり(歯のQ&A)
咬合力コントロールのために知っておきたいこと
歯ぎしり・食いしばりのセルフチェック
まずは自分が歯ぎしりや食いしばりをしていないか?ということを知る必要があります。
「自分は歯ぎしりしていない」と思っている方も、実は無意識にしているケースが多く、気づいていない人も多くいます。
次のような症状がないかチェックしてみましょう。
- ・朝起きたときにあごやこめかみが疲れている・痛い・だるい
- ・歯がすり減っている、または欠けている
- ・詰め物や被せ物が繰り返し外れる
- ・冷たいものがしみる(知覚過敏)
- ・頬の内側や舌に歯型の跡がついている
関連ページ:あなたも実はやっているかも・・歯を傷める歯ぎしり!
ナイトガード(マウスピース)で歯を守る
夜間の歯ぎしりに対して最も有効なのが、歯科医院で作製するナイトガード(マウスピース)です。歯に均一に力が分散されることで、特定の歯に過剰な力が集中するのを防ぎます。保険適用で作製できますので、気になる方は歯科で相談してみましょう。
関連ページ:睡眠中に歯を守る「ナイトガード」はやっぱり必要?
日中の「食いしばりグセ」を意識してやめる
日中の無意識の食いしばりに関しては、意識して取り組むことによって改善が可能です。
食事以外の時には上下の歯は基本的に接触させない、ということを意識し、もし上下の歯を合わせているのに気が付いたら、「すぐに離す」ということをやってみましょう。
なお、日中の食いしばりは夜間の歯ぎしりを起こしやすくするとも言われているので、そういった意味でも、日中の食いしばりのコントールは夜間の歯ぎしりを減らす効果が期待でき、大きな意味があると言えるでしょう。
まとめ
歯の寿命を長く保ちたいのであれば、むし歯や歯周病に気を付けるだけでは不十分です。
ストレス社会に生きている私たちは、「咬合力」という問題にも注意を払う必要があります。
もし歯ぎしりや食いしばりのサインに気づいたら、早めに対策をすることが大事です。
夜間の歯ぎしりに対しては、歯科医院でナイトガードの作製をすることが可能ですので、一度歯科で相談してみましょう。















