歯科コラム

上下の歯を合わせる癖が顎関節症を招く?

皆さんは、普段上下の歯の位置はどのようになっているでしょうか?上下の歯はくっついていますか?離れていますか?

どっちであっても大した問題ではなさそうにも思えますが、実は普段上下の歯がどのような位置にあるか、というのは歯の健康、顎関節や体の健康にまで大きく影響してきます。

上下の歯の理想的な位置

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上下の歯というのは、食事の時以外には合わせず、離れているというのが本来あるべき姿です。正常な口の状態というのは、唇は閉じた状態で、上下の歯が接触せず、2〜3ミリあいている状態です。そして、舌の先端は上顎の前歯の裏側に軽く接触している状態で舌に力が入っていない状態です。この、上下の歯が触れずに少し開いている状態を、安静空隙といいます。

安静空隙の状態では、顎も舌もリラックスした、無駄な力が入っていない状態となり、それによって肩や首、腰痛や足まで、骨や筋肉にストレスがかからずに、バランスの良い状態が保たれます。

上下の歯を合わせるTCHとは

安静空隙を保たずに、食事以外の時に上下の歯を合わせてしまう癖をTCH(Tooth Contacting Habit=歯列接触癖)と言います。TCHは、何かに集中している時に起こりやすく、例えば、本やスマホ、テレビを見ている時、家事、勉強、仕事をしている時、ゲームをしている時、というような様々なシーンで無意識に現れます。

TCHは、長時間続けて行われることが多く、それによって歯や顎の筋肉や骨、体にまで負担がかかってきてしまいます。

TCHによって起こってくる悪影響

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TCHがあると、歯に力がかかり続け、顎の筋肉は常に緊張した状態になるため、歯や体に様々な症状を引き起こします。例えば、歯の違和感や知覚過敏、歯の痛み、そして顎関節の雑音や顎関節の痛み、お口が開きにくいといった顎関節症の症状、頭痛、肩こり、首のこり、腰痛、めまい・・と、そのほかにも様々な全身症状を引き起こすこともあります。

また、歯が接触すると唾液が分泌されるため、唾液を飲み込む回数が必然的に増えてしまい、その際に空気も一緒に飲み込んでしまうことでオナラやゲップが多量に出る呑気症(どんきしょう)の症状が出ることもあります。また、さらには、TCHがあると、夜間の歯ぎしりや食いしばりも起こりやすくなることがわかっています。

TCHへの対処法

TCHのある方は、これからでも遅くはないので、まずは普段意識して、食事以外の時には上下の歯を合わさない、ということを意識してみましょう。最初は意識して行うことが必要ですが、だんだんとしなくなると、体もその状態に慣れ、無意識に合わさないようになっていきます。

なかなか忘れてしまって難しい、という方は、「歯を合わせない!」と付箋紙などにリマインダーとして書いてあちこちに貼り付けておくのもおすすめです。

また、TCHを行う原因として、ストレスも大きな原因の一つとして考えられています。そのため、自分の好きなことを持つ時間を1日に少しでも持つようにするなど、リラックスできる時間を確保することも大事です。

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