親知らず抜歯後のトラブルや後遺症!いつまで続くの?治療法についても解説
今回は親知らず抜歯後のトラブルや後遺症にはどのようなものがあるのか、また治療法やどのくらい続くのか、ということについてご紹介します。
親知らずの抜歯後のトラブルや後遺症

抜歯後、次のような症状が出る場合があります。
◆ドライソケット(治癒不全)
ドライソケットとは、特に下の親知らずが深く埋まっていた場合に起こりやすい症状で、
歯を抜いた穴に血が溜まらずに骨が露出し、強い痛みが長く続く治癒不全です。
頻度としては多くありませんが、この状態になると、通常は抜歯後2,3日で強い痛みが引いてくるのに逆に痛みがどんどん強くなっていき、2週間以上経っても強い痛みが続くことがあります。
<治療法>
痛みに対しては鎮痛剤を服用していただき、必要に応じて抜歯した穴を洗浄、消毒する、抗生剤の軟膏を塗布する、再び出血させるといった方法を行う場合もあります。
◆開口障害(口が開きづらい)
抜歯後の炎症が噛むための筋肉にまで及んでしまった場合や細菌感染が広がった場合、口が指1本分くらいしか開かなくなることがあります。
<治療法>
開口障害は親知らず抜歯後には比較的起こりやすい症状ですが、通常は1週間くらいでだんだんと回復していきます。細菌感染が起こして悪化させないためにも、抗生剤の薬はきちんと服用することが大事です。
◆感覚麻痺・しびれ
下あごの内部には下歯槽管というものが走っており、その中に知覚をつかさどる神経が入っています。親知らずを抜く際にその管が傷ついてしまうと、下唇や周囲の皮膚に麻痺やしびれを起こすことがあります。
もしこういった症状が起こる場合、神経の回復には時間がかかるため、数か月単位で症状が続くこともあります。
<治療法>
麻痺やしびれの感覚は自然に落ち着いていきますが、治りを早める目的でビタミン剤の投与やレーザー照射が効果的です。
◆副鼻腔が傷つく
上の歯の奥の方には上顎洞とよばれる副鼻腔が存在し、親知らずの位置によっては上顎洞と接していて、抜く際に上顎洞の壁が破れて穴が開くことがあります。
そうすると、上顎洞と口の中がつながってしまい、抜歯後に鼻から血が出てきたり、飲んだ水が鼻から出てくることがあります。
<治療法>
穴が小さい場合には自然に穴は閉じていきますが、大きめの場合には穴を塞ぐ処置が必要になってくる場合もあります。
親知らずの位置と上顎洞の位置が近い場合には、穴が開いてしまった可能性を考えて、鼻を強くかまない、麺類をすすらない、ストローを使って飲まない、といった圧をかけないことを意識する必要があります。
◆内出血
下の親知らず抜歯の際に、歯や骨を削って抜くなどした場合、内出血により頬やあごの皮膚に紫色っぽい変色が現れることがあります。
もしこれが現れる場合、通常だと抜歯後3~5日くらいで濃くなり、1週間くらいたつと黄色みを帯びてきて、10日~2週間くらいで落ち着いてきます。
<治療法>
とくに治療法はなく、色が消えていくのを待ちます。
◆皮下気腫
埋まっている親知らずを抜歯する際、骨や歯を削って抜歯する必要がありますが、その際に空気が入って突如として頬やあごが大きく腫れることがあります。
気腫でが腫れる場合、腫れている部分を触るとプチプチと音がする捻髪音があるのが特徴です。
<治療法>
この場合、放っておいても落ち着いてくるのが通常です。