歯科コラム

神経を取った歯が痛い!歯根に膿が溜まってしまう原因とは?

神経を取った歯というのは、痛みを感じる神経がないので「痛みは出ないはず」と思われがちですが、実は様々な原因で痛みを出すことがあります。

その中でも多いのが、神経を取った歯が、数年後などしばらく経ってから痛みを出すケースです。このような場合に多いのは、歯根の先端周囲に膿を溜めてしまっている、という状態です。

今回は、なぜ歯根の周囲に膿が溜まってしまうのか、またその対処法についてご紹介します。

歯根先端に膿が溜まってしまう原因

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歯根の周囲に膿が溜まると、その部分に問題があると思ってしまいますが、実はその原因というのは、歯根の内部に溜まった細菌の増殖によるもので、それが歯根の外に出てきたもの、と考えられています。そのため、このような状態を起こす場合、歯根の内部の治療が必要になってきます。

歯根内部になぜ細菌が繁殖してしまうのか、その原因としては次のようなことが挙げられます。

◆外部からの細菌の侵入

根管治療(根の治療)をした後は、その上から細菌が侵入しないように、詰め物や被せ物でしっかりと蓋をしますが、虫歯などにより隙間があくと、細菌が根管内部に侵入してしまうことがあります。

◆歯根内部の複雑さによるもの

歯根の内部は単純な管構造ではないことがよくあります。特に、奥歯では歯根が複数ありますし、内部も複雑に枝分かれしていたり、網目状になっていたりすることも多く、根の治療では完全に消毒しきれないことも少なくありません。そのような部分に残った細菌がのちに増殖し、歯根周囲に膿を溜めてしまう原因となります。

◆免疫力低下などの要因

たとえ、根の治療を完璧に行ったとしても、歯根内部を完全に無菌状態にするということはほぼ不可能です。その後に細菌が繁殖するかどうかというのは、免疫力などの要素も関係していると考えられます。

歯根周囲に膿が溜まった場合の対処法

歯根周囲に膿が溜まっているかどうかは、歯科医院でレントゲンを撮ればすぐにわかります。中には、痛みが全くないのに、全体のレントゲンを撮った際に歯根周囲に膿が溜まっていることが発覚するケースというのもあります。

痛みがある場合には、早急に根管治療(根の内部の治療)が必要になってきます。ただし、嚢胞になっていて大きくなってしまっている場合には、根管治療では治らず、外科的に嚢胞を摘出するか、それも難しい場合には抜歯になることもあります。

症状がない場合というのは、慢性的に経過している状態ですが、いずれ何らかのきっかけで急性化し、痛みを出す可能性もあるので、少なくとも定期的に経過観察はしていく必要があります。

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