免疫力と口腔内の関係
免疫力が高ければ、感染症にかからないか、もしくはかかっても重症化を避け、後遺症を起こすことはなく、特に問題なく治っていきます。
免疫力を高めるためには、十分な休息、睡眠、食事などが大事であることはよく知られていますが、実はお口の中の環境というのも免疫力に大きく関わっています。
免疫力とは?
免疫力とは、体にウイルスや細菌などの病原体が入ってくるときに対抗する力のことです。免疫力は乳児や高齢者、妊婦さんでは下がりやすい傾向がありますが、それ以外の人は健康な状態であれば病原菌に対する免疫力を十分に持っていると言われています。
ところが、通常であれば十分な免疫を持っている人でも、ストレス、疲労、病気、薬の影響などにより免疫力が下がってしまうことがあります。
そして、それに加えて、お口の健康状態というのも免疫力の強さに関係していることが、近年の研究によりだんだんとわかってきています。
免疫力と口腔内の関係
口腔環境が腸内環境との関係
免疫力を高めるために、腸内細菌を整えよう、という話を聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。実際に、腸内環境は、免疫力を左右することが多くの研究によりわかっていますが、腸内細菌環境というのは、お口の細菌環境との関連性が深い、ということがわかってきています。
つまり、お口の清潔を保って細菌環境を整えることで、それが腸内細菌環境にも良い影響を与える可能性があります。
歯周病による影響
歯周病というのは、長年、歯の寿命を縮める病気とだけ捉えられてきました。ですが、今では、歯周病はお口の健康状態だけでなく、全身の様々な病気を引き起こす原因にもなっていることが明らかになってきています。
そのような病気の中でも、歯周病は特に糖尿病との関連性が深いことで知られていますが、糖尿病は体の免疫力を左右する重大な病気でもあります。実際に、糖尿病の人は感染症にかかりやすく、それで命を落とすことも珍しくありません。
また、それに加え、歯周病菌は、インフルエンザなどのウイルスを粘膜に感染させやすくする、ということも最近の研究でわかってきています。
このようなことから、歯周病ケアをしっかりと行うということは、免疫力を高めることにもつながると言えます。
口腔ケアで免疫力アップしていきましょう!
お口のケアを丁寧に行うことは、虫歯や歯周病を防ぐ、口臭を予防する、ということにとどまらず、体の免疫力にも大きく関係しています。
そのため、普段より、自宅でのお口のケアは念入りに行うのはもちろんのこと、定期的に歯科でのクリーニングを受けることをおすすめします。
清潔で健康なお口を保つことは、様々な感染症から身を守ることにもつながります。ぜひ、皆さんも実践してみてください。